麻雀で破産しそうになった話(最終話)
前回記事をまだ読んでいない方は、こちらから。
麻雀で負けすぎて破産しそうになった話(第1話)
麻雀で負けすぎて破産しそうになった話(第2話)
麻雀で負けすぎて破産しそうになった話(第3話)
麻雀で負けすぎて破産しそうになった話(第4話)
麻雀で負けすぎて破産しそうになった話(第5話)
▼前回までのあらすじ
仕事量が一気に少なくなったため、毎日雀荘に通うようになり、毎月給料をほとんど麻雀に突っ込んでいたアホな男、宮田銀次。
今までの負けを一気に取り戻したいという気持ちと更なる刺激を求めてマンション麻雀デビューを果たすことになる。
お金がないにも関わらず、「倍PUSH!」
千点1000円の麻雀で勝負することになる。
結果、財布の中身も銀行残高もすっからかんになり、遂にしかるべき機関のお世話になることに・・・
※この話はフィクションです。
財布の中身も銀行残高もすっからかん
しかも給料日は1ヶ月後
この状況の中での選択肢は一択
そう
借金するしかない
例え匿名でやってるブログと言えど、ここまで自分自身の黒歴史を語るのは恥ずかしい限りなのだが、もうここまで書いたからには全て正直に話すしかない。
本当は友達に借りたかったんだけど(下衆)、友達にお願いするレベルはとうに超えているので、しかるべき機関にお願いするしかない。
ちなみにこれまでも麻雀で負けすぎてきたせいで、借金をしなければならない危機は何度かあったが、首の皮一枚繋げながらすれすれの状態で逃れてきた。
ただし、今回は決断をしなければならない。
「たかだか借金するだけで大げさな…」って思うかもしれないが、僕がなかなか前に踏み出さないのには理由があった。
理由を大きく分けると2つ。
▼理由1
住宅ローンの類を除いて、借金をしている人は、当時在籍していた会社では出世できない。
最近話題になっている『◯ネッセ』の事件とかあるよね?
ニュースで見て、ここまで大事になるのかとびっくりしたんだけど、個人情報の売買って表に出ていないだけで、かなりあるんだよ、実は。
中堅・中小規模の会社だとセキュリティが甘いというか無防備な会社が多いからね。
個人情報が持ち出されても、誰が持ち出したのかなんて絶対わからない場合が多いと思う。
まあ、ここではこれ以上書かない方がいいかな…
僕が以前在籍して会社でも◯ネッセの事件と同じようなことがあってね、犯人は特定されたんだけど、もちろんそういう社員は会社にはいれなくなるよね。
でも、逮捕とかに発展するような次元の話にはならなかった。
他にも、業者さんに何かを発注をする代わりにバックマージンをもらう社員とかもいてね。(こういうのはすぐばれる。)
そういう不正をする社員に理由を問い詰めると、
「ギャンブルでできた借金返済のため」
っていう理由がほとんどだったらしい。
そういうことが起こってしまうものだから、会社としては、借金がある人を重要なポジションには置いておけないんだよ。
そんな背景があるのに当時の僕の役職は
「取締役◯◯本部長」
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
本当に終わってます。
▼理由2
理由1と被る部分もあるんだけど、当時僕が在籍していた会社では、噂が一瞬で広まる。
営業職、事務職含めて若い女性が多かったっというのもあるんだけど、噂の広まるスピードが異常。
会社近くのパチ屋でパチンコしていただけで、どこで見られたのかはわからないけれど、次の日に
「昨日は勝ちましたか?」
って何人かに言われることもあったよwww
こんな環境だから、在籍確認(借金をするときに、金融機関から本当にその人が会社に在籍しているかの確認電話がくる)の電話があっただけで、借金することが噂になりそうで怖かったんだよね。
まあ、でも借金しないと生活できないんで、意を決してMS銀行へ。
会社に対して忠誠心もあったし、不正はせず、仕事にも真面目に取り組んでればOKと自分自身で判断した。
とりあえず、借り入れの枠を100万円で申請。
在籍確認がかなり怖かったんだけど、それをやり過ごす名案を思い付き、実行…
これは大成功したが、脳みそが腐っていると思われるんで、その方法はここでは書きません。
めっちゃ書きたいけど、書けない。
ごめん・・・
無事審査は通ったのだが、ここで心を揺さぶられるようなことを電話口で言われた。
「100万円の枠で申請していますが、150万円の枠にしませんか?そのほうが利子が安くなりますよ。別に限度額一杯まで借りる必要はありませんので。」
3秒考えて即決www
これはダメなパターンや…
借金で首が回らなくなってしまう人はこんな感じで雪だるま式に借金が膨らんでいくんだろうな。
とりあえず、これで当面の間は大丈夫なはず。
あとは麻雀をやめて、体制を立て直すだけ。
例の雀荘は、一般的な雀荘とは違って24時間お客さんがいるわけではないので、事前に電話をし、先日のアウト(お店からの借金)を返しにいく旨を伝えた。
とりあえずアウトだけ返して、麻雀は打たないで帰るつもりだったが・・・
やっぱり僕には無理でした。
「麻雀はやめよう…」という鉄の意志は、どこにいったのか・・・
雀荘に着くなり、いつも通り麻雀を打ち始める自分がいた。
(細かい話は省略します…)
そんなこんなで、またいつも通り雀荘に通い始め、銀行からの借り入れを少しずつ増やしていく羽目になるわけだが、このとき僕にはものすごい罪悪感があったんだよね…
その罪悪感というのは、会社に対してのもの。
入社以来、僕の人生は当時在籍していた会社に全て奉げてきたと言っても過言ではない。
仮に「社畜JAPAN」なるものが存在しているならば、僕は間違いなく「社畜JAPAN」の「ファンタジスタ」になれるだろう。
社畜業界のカリスマ
と言ってもいいくらい、仕事に対して全力で取り組んできたかな。
このときの経験は自分にとってかなりプラスになっているけどね。
ここで一つエピソードを。
僕が当時在席していた会社では、毎週月曜日に、朝8時から全体会議があった。
本社の社員だけではなく、全国の支社の社員もテレビ会議で参加しなければならない。
この会議に遅刻した者は、吊し上げられることになるので、時間に余裕を持って出社する社員が多かった。
電車の遅延とかでも遅刻はNGなので、かなり厳しい。
遅くても15分前には出社するようにと言われるんだけど、
僕の場合はなんと
12時間前には出社していたよwww
早く出社しすぎて何もやることないから、1ヶ月先の事務作業までやってたかな。
入社してから3年くらいは仕事以外に本当に何もやることがなかったので、寝る時間以外はほぼ会社にいたと言っても過言ではない。
残業代なんてのはもちろんないよ。
会社には、下着、ワイシャツ、スーツ、寝袋を含めて生活用品一式を準備してたしね。
僕のような社員が多かったからか、某2chの「ブラック企業偏差値」は驚異の60後半をかなり長い間キープしています。
さっき見たらまだ載ってたwww
このように社畜道を極めた僕にとっては、借金してまで麻雀をしていることに、ものすごい罪悪感を感じていた。
心が締め付けられるほどに。
それでも、それでもだ
麻雀だけはやめられなかったのである。
ギャンブルが持つ魅力は恐ろしい・・・
たまに大きく勝つことがあるんだけど、そのときの印象が強く残っているせいか、トータルでは大きく負けていてもそこまで負けている感じはしなかった。
前向きな性格もこのときは災いしたのか、負けた日は、「もう麻雀やめよう」と思うんだけど、寝て起きたときには「麻雀やめるのをやめよう」という思考になってしまう。
発売されるたびに必ず読んでいた「近代麻雀」を読むと、麻雀が強いんじゃないかと錯覚してしまうんだよ、理由はよくわからないけどwww
どのくらい負けたかは公開自粛…というか見当がつかない。
さらに、この時は、自分自身に大きな変化が表れていた。
僕は、周りによく見られたいとか格好つけたいという願望が強く、服装を含めた身なりをかなり気にする。
でも、麻雀で負けていて、これ以上はやばいなというときは、明らかにおかしかった。
爪が伸びていたり、ヨレヨレのスーツを着ていたり、靴が汚れていたり、周りから見ても何かおかしいなと思われていたはず。
遅刻も多くなっていたかな…
今まで気にしていたことに対しても全く気が回らなくなっていたんだよね。
もうお金のことで頭が一杯…
負け額は積み重なり、これ以上借金するのはさすがに怖くなり、遂には会社に給料の前借りを申請する事態に発展する。
役員が給与の前借りを申請するのは明らかに異常だよね。
もう最低最悪です。
結果、現状の自分に心から嫌気が差し、会社にとって僕の存在は悪影響ではないかと感じるようになり、会社を退職することを決意した。
会社側からは、留意されたけど、やはり自分自身にけじめをつけなければならないと思ったんだよね。
同時に麻雀も引退。
それ以来、今日まで一度も麻雀牌を握っていない。
このときはキッパリやめることができたんだ、不思議だけど…
麻雀つながりの友達や知り合いとも連絡は取らなくなったけど、今でもTさんのお店にはたまに飲みに行きます。
それから、会社を退職してから半年間で体制を立て直し、もう一度頑張ってみようという気持ちを胸に会社を設立した。
今現在、試行錯誤しながら会社を経営している。
事業自体は、長い間やってきたこともあり、人脈もある程度あったので、まあそこそこうまくいっているかな。
本来は、パチスロなんか打たずにもっと頑張るべきなんだけど、色々な考えがあって、ノンビリとやっているよ。
もう少しメリハリつけてやったほうがいいかもしれないんだけどね。
ただ、サラリーマン時代、自分の持てる力の120%を仕事に費やしてきたときとは違って、50%くらいの力で仕事に取り組んでいると、今まで見えなかった景色も見えるようになっているというのも事実です。
気持ちに余裕がある今この時に、自分がどうありたいかということを真剣に考えて、そのゴールに向かってこれからは生きていきたいと思う。
(完)
「麻雀で破産しそうになった話」は、これで終わりにしますが、麻雀関係の番外編や会社のことについてもブログ上で書いていくつもりです。
次回はリクエストがあった「雀荘で揉めた話」を書きます。
自分自身、麻雀で負けすぎて改めて気付いたことだけど、ギャンブルに関しては身の丈に合わせたレベルで遊ばないと危険だよね。
仕事では身の丈を超えたチャレンジはどんどんすべきだけど、ギャンブルでそれをやってしまうと、メンタル面が弱い人は転落するのみだと思う。
アカギやカイジには簡単になれないんだということを学んだよwww
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タグ:麻雀
とても面白かったです。
在籍確認の逃れた方法がとても気になりますがww
いろんな経験をしている銀次さんは( ・∀・)イイ!!と思います。
アカギはめちゃカッコイイな~~~w
Kskさん
在籍確認逃れについては、いつか機会があればwww
こういう経験が将来役立てばいいと思ってます。
20代の生き方ってすごく大切なんですよね。
アカギは激かっこいいっす。
雰囲気がたまりませんw
役員行くと大変ですねぇ
そこまではきつくはないですが
ブラック企業いきたくない (´Д`;)
引き弱さん
ブラック企業っていう定義って色々あると思いますけど、ノンストレスで働くことができる会社ってほとんどないかなと思いますよ。
僕がいた会社は金融機関やベンチャーキャピタルなんかからかなり融資を受けてたんで、数字面でのプレッシャーが半端なかったです。
営業で「売れないやつ」は「すぐやめろ」みたいな雰囲気でした。
今はそれに比べると全然気楽にやっています。
ただ、事業失敗=自己破産なので、それなりのプレッシャーはありますけどね。
良い?(笑)経験されてると思います。誰でも生きてたら2~3度人生棒に振るかも知れない大博打的な転換期あるんですよ…同職で社畜→経営→社畜経験者なんで人には理解されない選択は有りだと思います
エチカさん
こうやって文章にして振り返ってみると、改めてアホだったなあと思います。
30歳前後のことだったので、まだやり直しがききましたが、同じことを10年後にやってしまったら同じようにリスタートできるかわかりません(笑)
失敗から学ぶことも多いと思うので、この出来事を糧に頑張っていきたいと思います。
色々経験されてますねw
ギャンブル依存は恐ろしいですね
揉めた話も楽しみにしてます(*^^*)
あれんさん
ギャンブル依存は恐ろしいです。
当時、自分ではギャンブル依存だとは思っていなかったんですが、これは誰がどう見ようと思いっきりギャンブル依存ですね。
僕はほんとメンタルが弱いので、気を付けないとですね(笑)
とっても見入ってしまいました。
銀さんの過去の失態をこういったら悪い気がしますが、
みごたえがあってすごく楽しく?読めました。
それから牌は触っていないんですね・・・
記事のタイトル『雀荘に復活した話』
を待ちわびてます笑
たむさん
「こんなに麻雀を楽しそうにやっている人は見たことがない」と言われるくらいの麻雀好きなんですけど、ほんとに2~3年牌握ってないんですよ。
「雀荘に復活した話」
あるかもですwww
やっぱり、麻雀楽しいですもん。
月2万負けまでとか自分の中でルール決めかなんかして、暴走しない程度にやれたらいいんですけどね。
負けるとアツくなっちゃうんで、無理かなぁ・・・